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10/21 新国立劇場

「リチャード三世」を観てきました。新国の中劇場は初めて行きましたがキレイな劇場ですね.。2階席には分厚い座布団常備、これがないと見えにくいってことは設計ミスなんじゃ...と思いつつ(座布団のおかげで舞台は観易いけど肘掛けに肘が届かないw)。チケットを取ってもらった日が意図せずに千秋楽、カーテンコールには演出の鵜山さん(だと思います)も登場しておりました。

【作】W.シェイクスピア 
【翻訳】小田島雄志
【演出】鵜山仁
【出演】岡本健一中嶋朋子/浦井健治 ほか



毎年SHOCKを観てる身としましては「やっと不満の冬も去り〜」から始まるSHOCKのシェイクスピア・リチャード三世の場面を思い出します。どっちからも一緒にすんな!と怒られそうだけど、今まで見たリチャード役は翼、斗真、錦戸さん、屋良さん、内くん、古田さん(新感線)、そして今回の岡健。なんかね、この中で岡健のリチャードが一番「滑稽」だった。古田さんのリチャードはかっこよかった、だまされても仕方ないと思えるくらいに。屋良さんは怖かった、他のじゃには皆かわいそう。岡健のリチャードは演じる声の高さのせいもあるんだろうけどちょっとバカ殿的なかんじで、そのバカの合間に見せる本気の部分が女を口説くのに有効なのかしら〜とか思ってみたり(いわゆるギャップ萌え)。あんなかっこいい顔面の持ち主なのに、かっこよく見えないってすごいな(笑)

シェイクスピアのたたみかけるような台詞の応酬はストレートプレイの醍醐味ですなぁ。普通に「さようなら、王妃」と言えばいいところを「これから悲しみだけが待つ舞台へあがる哀れな女性よ、さようなら...」(台詞はてきとーです)みたいなさ!すごくくだらないけど子供の頃にマンガ「魁!男塾」に影響されて、友人と「目にするだけでこの暑さ忘れるような涼しげなブラウスのお嬢さん、おはよう」「あら、海に沈む夕日の色を映したようなバッグね、ふふふ」など、わざと説明口調で話すというバカな遊びをやってたのを思い出す...(アホやーwww)
呪いの言葉もよくまあ、あれだけの言い回しを考えつくなぁと感心してしまった(笑)シェイクスピアすごい!

子供は人形を使うという演出、おもしろかったなー。あの人形使いはどなたかしら?声がすごくタイプだった。

亡霊に苦しめられるリチャードの場面、いろんな「絶望して死ね」があってこれまた新鮮。でも私は「じぇつぼうしてちね〜@こーいちさん」が好きだったりするw

浦井くんのキラキラ・リッチモンド伯はモロ正義の王子様で、あらゆる面でリチャードの正反対なのね、光と影。ミュージカル俳優・浦井くんに惚れてる私からすれば、歌わない・踊らない&出番も後半に少しで(前半の市長秘書役もしっかり見たよ!)もったいないなぁと思う部分もあるけれど、素敵でした。浦井くんに興味を持った人はぜひ彼のミュージカルを見て欲しい><!

卑屈で感情的で嫌なかんじの岡健リチャードはきっと死ぬ時まで後悔なんてしない、孤独なんてとっくに受け入れて消化済、最後もへらっとしれっと死んでいったんじゃないかなぁと思わせるような、滑稽な中に「強さ」を感じるリチャードでした。

カーテンコールの岡健はすっとした立ち姿でかっこよかったですー!

[追記]昼間、感想かいたときはこう思ったんだけど今思い返すとちょっと違うような気がしてきた...強いというより諦めることによる強さかしらねぇ。上手くいえないけど前向きなものじゃなくて。