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2/6 KAAT

ごおくん主演の「金閣寺」を観てきました。以下、どうにもうまく言葉がでてこないので感想とは言えない、ネタバレを含むかもしれないメモ。
観終わった後はなんとも微妙な気持ちだったけど、なぜか頭から離れなくて、ずーっと舞台のことを考えています。去年の「血は〜」も似たような感じだったけど、じわじわきますねぇ。基本的には「わああ楽しかった!」で終わるようなキラキラ華やかな舞台が好きだけど、キラキラしてる分、逆に儚い夢の世界であっというまに消えてしまうんですよね。金閣寺のように「うむむ・・・」と考えてしまう舞台はいつまでたっても心から消えずに弱い炎のままくすぶり続けていくような気がします。実は未だに「IZO」のDVDさえ1回も観れていないくらいです。まだ記憶にナマの舞台が残っていて、DVDを観たらそれが消えてしまいそうな気がして。去年の「血は〜」もかなり映像が頭に残っているんですよねぇ、不思議だなー。これが役者・森田剛のナマの威力なのかしら。
前半、舞台の大掛かりなセットはほぼ変わらず、机・イス・板や人間がめまぐるしく動いて道になったり階段になったりでとどんどんセットに変化するのはおもしろかったなーあの人たちかなり大変なお仕事よね。歌舞伎を見慣れた人からすると盆のない舞台が不思議なんだけど、ストレートプレイってあんまり盆は使わないものなのかなぁ?終盤のセットは「血は〜」の逆パターンwで、剛くん。やっぱすげええええ><!誰よりも小さくて細くて頼りなさげな溝口なのに、あの空間を支配してるのは剛くんなんだよね。
この舞台、私は視覚よりもよりも聴覚が過敏になってたような気がします、双眼鏡を忘れたのが理由なのかなぁ。それだけじゃないか。まず始まり方からして本の朗読からだし、途中もいろんな人が説明するように朗読するし。自転車のチャリチャリしたベルの音や、バタバタセットを移動させる音、ごおくんのきゅううっと心が締め付けられるような声。電気のバチバチする音と金閣寺の象徴(だと私は思ったけどどうなの?)のような、ボイパくん(違)。最初の朗読で、あぁこの人いい声だなぁと思った人がその後、私にとってすごく苦手な音を出す人になって、あの人の影が出てくるだけで「ぎゃあああキター><」と身構えてました(笑)
吃音が大きなコンプレックスとなり周りとの大きな壁を感じていた溝口の姿が自分と重なってなんかつらいwww私のコンプレックスなんて全然ちっぽけなものだけど、それでも自分にとっては世間との大きな壁。特に今は精神的に凹んでいる時期なのでなにもかも壊したくなってる(危ないねw)。溝口が金閣寺を燃やした後でどうしてあのセリフへ結びつくのか、それが私にはまだわからない。というわけで、見終わったその日の夜から原作を読み始めました、まだ1/3も読めてないけど(お仕事忙しいんだよ)。原作を読んでからまたこの舞台について考えてみたいなーと思います。