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新橋演舞場八月

海老さま主演の新作歌舞伎、張り切って見てきた!いやぁ、まずは一言、派手な舞台だった(笑)さすが海老さま。歌舞伎の見せ場がふんだんに盛り込まれて楽しかったです。セットが派手なら私はとりあえず満足するみたい(そんなんでいいのか?)。
歌舞伎をよく見るようになると、今まで“じゃにってトンデモ舞台が多いな”と思ってたけど、そもそも舞台とはそーゆーぶっとんだ設定やお話を楽しんじゃうものなんだ〜という気になり、じゃに舞台はむしろおとなしいくらいに思えてくるから不思議。
以下、ネタバレです、ご注意を!

石川五右衛門
石川五右衛門  市川 海老蔵
    茶々  中村 七之助
  前田利家  片岡 市 蔵 
 百地三太夫  市川 猿 弥
  霧隠才蔵  市川 右 近
  豊臣秀吉  市川 團十郎

先月、大阪で文楽を見ておいてよかった!幕開きが釜茹での刑の場面で“人形振り”(演者がわざと文楽人形になったような振りをする)でした。後ろにちゃんと黒衣さんもついて、ホントに人形みたいな動きでした〜これ、文楽観たことないとオモシロさ半減かも。まゆげまで紐で動くやつを貼り付けてあった(笑)
釜茹での刑に至るまでの経緯を振り返る、ということみたいで、次の場面は伊賀の里。まだまだ盗賊としては未熟者、役人に追いかけられ逃亡中に伊賀の里で行き倒れ(あいまい)。そこで百地三太夫の弟子にしてもらい、忍者修行。舞台セットがパタパタと変わっていくのがたのしー。その時間の経緯とともに五右衛門の衣装もチェンジ=技を習得して忍者として立派になっていく様を表現。殺陣もスピーディーなものから、スローモーションの動きを入れたものまでいろいろ。
秀吉の大切なものを盗んでやらあ!ということで舞台は秀吉のお屋敷内の庭?五右衛門と茶々の出会い。うぉ〜七之助さんもちょぉぉぉぉキレイや〜しっとりやわらかいわぁ。ここは主に舞踊中心、2人の踊りが揃っていく=気持ちが通じ合っていくということみたいです。衣装の引き抜きもキレイでした。
舞台は茶々の寝所。ほわー!すっかりカップルになり、いちゃこらしてる2人の美しいこと!(笑)五右衛門はここで自分の母の形見の銀のキセルを茶々に渡します。そしてこれからイイところ!というところで御簾が降りちゃって客席からも、あぁぁぁ〜と落胆の声が。みなさん正直すぎる(笑)いろいろはしょってその後(書くの疲れてきた)茶々の懐妊が秀吉の知るところとなり、世継ぎができたと大喜び。しかし五右衛門の母の形見のキセルを見つけ、全てを悟る・・・けど知らないふり。
南禅寺で会う約束をした秀吉と五右衛門。秀吉はお忍びの訪問なので普段着・・・という解説だったけど、あれが普段着かー!すげー!!ザビエルっぽい襟で金ぴかでしたけど!!五右衛門さまは(←思わず様呼び)の衣装も豪華になって素敵だった☆そこで秀吉に一泡ふかせようと、茶々のお腹の子の父は自分だと告白。しかーし、そんなことは百も承知と笑い飛ばす秀吉。逆に、五右衛門の母の形見のキセルは自分が与えたもの=自分が五右衛門の父だと告白。ひょーえぇぇぇぇー!客もビックリだけど、五右衛門の驚きっぷりがすごい、双眼鏡で顔芸(?)を楽しもう!親子だとわかり、情のわく2人だけど意地っ張りな五右衛門は反抗的な態度で、そのまま別れがたい思いはあれど、お別れ。ぐわーっとセリが上がって南禅寺山門。これも派手なセットだわー。そしてここで五右衛門の有名なセリフ「絶景かな、絶景かなぁ〜」です。
暗闇の中、考える五右衛門。評判の良くない秀吉が悪党の盗賊・五右衛門を捕まえれば、秀吉の評判も上がる、これが親孝行だろう、と。(←この辺りの考えは理解不能だけどまー、お芝居ですから)
なぜか滝の場面。金の鯱を見つけて仕留めようとする五右衛門。作り物の鯱ちゃんがカワユス。しょっくの白鯨をなんとなく彷彿させるカンジ(大きさとか形とか全然ちがうけど)。水中での格闘なので、海老さま、お口から水をぷーっと吹いてました。結局、鯱には逃げられてしまし、そんなら大阪城天守閣の鯱を盗んでやるぅぅぅー!と花道を飛び六方(ケンケンみたいにダンダン足を踏み鳴らしながら移動)での引込み。きゃー、かっこいい!!
舞台は大阪城天守閣の屋根、金の鯱のあるところ。ここの演出がまた派手だったぁぁぁ。スモークが下から噴射されて、五右衛門の分身がたくさん出たり、金の鯱をぶんぶん振り回したり。動きが派手だとさすがに眠くならないわ。海老さま、休みなく動きっぱなしですごいです・・・。最後はわざと捕まる五右衛門。
ここで冒頭の大釜(処刑場)へ。「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」と辞世の句を残して大釜へダイブ!どんどん火をくべる役人たち。すると大釜がどかーんと割れて、中から大きなつづらが飛び出す。実は大釜の中には秀吉があらかじめ五右衛門を助けるためにつづらを入れておいたのでした〜いやぁ、とうちゃんすげぇ!!宙吊りされたつづらからバーンと五右衛門が飛び出して、そのまま2階席の方へフライング〜。最後は花吹雪がぶわーっと噴出されて幕となりました(たぶん)。←1階後方だと最後が見えないwww

海老さまはやっぱり“華”があるなーと見るたびに思う。七之助さんは美しかった。そして海老パパは今回もおおらかでおっきかったです!